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2004年 5月9日(日)
   TROUBLE その2-4

いよいよそのお店について、中に入っていくと笑顔のおじさんがいかにも、それらしい顔で出迎えて「こちらは初めてですか?」なんて言う。
そうだ、というと(当たり前だ)、じゃあまずイフォメーションをなんて言って、今まで聞いてきたとおりのことを言う。

ここは、輸出専門の工場で、普段は一般には売っていないが、1年でこの1週間だけ一般と旅行者にセール価格でオーダーを受けているという。
そして、メンバーになるといつでも記録したサイズのスーツを作れるのだ、などなど。生地はすべてカシミアで、型は、このカタログからどれでも選べる。スーツ、またはコートがつくれる・・・。

ここまで丁寧にいろいろと聞かされて、しかも部屋の中はいかにも仕立て屋っぽい雰囲気になっている。中には他のお客もいてそれは、現地の人のように見えた。今考えればサクラだったのだと思う。

そして、そこで、メンバーになりたいですか?と聞かれて、思わずうなずいてしまった。
あーバカバカ!

もともと、タイに行くのに眺めてたガイドブックで、オーダーメードがあることは知っていたし、時間的に間に合うならオーダーできたらいいなぐらいに思っていた。
実際、12月にベトナムに行ったときにはワンピースをオーダーして安くかわいいものが買えた。
さらに悪いことに、最近、仕事でスーツを着る機会が増えて、スーツを買わなければと思ってるところだったのだ。そうじゃなかったら、スーツをオーダーしようなんて、ぜったい思わなかった。

そんないろいろがあって、結局その場でうなずいてしまい、採寸からはじめることになった。次々といろいろなところのサイズを図っていき、女性スタッフがそれを書きとめる。それから、生地を決めて、型を決めて、まさに手順どおり。
そこには、スタッフも1人2人じゃなくて、たくさんいた。だから、相当大掛かりな詐欺組織なんじゃないかと思う。もらったメンバーズカードとやらには、ご丁寧にwebアドレスまで入っていて、そのページは実際に存在している。

ちなみにここ↓
http://www.venus-house33.com/
kanat_tm@hotmail.com
info@venus-house.com
101/3 Moo.12
Raiking
Samphan, Nakornpahom 73210Thailand

といっても、いつまで存在するかは分からないけど。

とにかく、あらゆる小道具を使って、信じるように信じるように仕向けられてオーダーのサインをしてしまった私に、いざ支払いとなってカードで、って言うとここはお店ではないからカードは扱えない。だが、もし現金を持っていないなら、クレジットカードでキャッシングすれば簡単だという。

ここで、私はほとんどやめる気になった。
クレジットカードは便利に使っているけれど、キャッシングは使ったことがないし、かなり高金利だからだ。それで、だったらやめるとほとんど言いかけていると、そこで店員がこのスタッフについていって銀行でおろして来いという感じで、半ば強引に決めてしまった。

どうしてここでもっと抵抗しなかったのか・・・・。
けっきょく、自分にスーツが欲しいという気持ちがあったからなのだと思う。まあ、いいか・・・少しなら、そう思ってしまったのだ。

まったく、何度もでてしまうけど、ばかげている。こんなにばかげた話はない。

けっきょくキャッシングと、その場で持っていた現金、それにTCを使って支払った。それがすべて無駄だったと思うと、まったく涙が出る。だけど、それを今からクレームをつけることが出来ないように、うまくうまくやられているのだ。

まず、クレジットカード払いなら、まだキャンセルという手段があったかもしれない。その場合でも、自分でサインしている以上無理だったかもしれないが。
キャッシングはあくまで自分の意思で引き出しているのだから、キャンセルは出来ない。いまさら返せといって戻ってくるはずがない。

でも、よく考えれば、出来上がりを見ないで支払いをするのもバカなのだ。
すべていま考えれば自分に隙があった。だけど、こんなに巧妙で大掛かりなことになってるなんて、本当に思っていなかった。
バンコクは2回目、そう思ってたのが油断で、前回の印象がよかったことも災いした。




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